【現場レベルの3C分析】どこよりもわかりやすく解説【テンプレあり】

「3C分析。なんとなくは知っているけど、イマイチ分析の仕方が分からない…事例が大企業ばかりで自分の仕事に置き換えられない。枠は埋めたけど、「で、だから何?」で止まってしまう。」

 

こんなお悩みを解決します。

 

✔️本記事の内容

・3C分析テンプレート
・3C分析の目的を明確にする
・分析の順番を間違えるな
・Customer(市場・顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)
・USP(独自の強み)を決める
・【実践】カフェを開くつもりで3C分析をやってみた
・カフェのUSP

 

この記事を書いている筆者は、

製造業出身。未経験から事業会社でマーケティングの実務を経験。メインはwebマーケティングと上流工程の戦略的な部分(今回紹介する3C分析など)も担当していました。個人では事業立ち上げの検証などを日常的に行っています。

この記事を読めば、3C(顧客・競合・自社)の視点から自分/自社がどこで勝てるかまで、紙一枚で答えを出せるようになります。

とはいえ、実際の現場で使う3C分析はかなり奥が深いです。

そのため、基本的な考え方はこの記事で学んでいただき、あとはみなさんが現場でチューニングしていただく必要があります。

なぜなら、この分析手法を”知ってる”と”使える”は全く異なるからです。

私自身、いくら分析をしても実際の現場では上司に「で?具体的にどうする?」などと打ち手につながらないなんてことは多々ありました。

その経験から学んだ「枠埋めで終わらせないやり方」を、今日から使える形にまとめました。

 

では、いきましょう!

3C分析テンプレート

まずは、下記の3C分析テンプレートをプレゼントします。

エクセルなどにそのまま貼り付けてお使いください。

視点

調べること

見つけるもの(ゴール)

顧客

なぜ買うのか、何が必要か

お客さんが本当に欲しいもの(顧客便益)

競合

お客さんが他に選んでいるものとその強み

競合がやられたら嫌なこと(競争優位)

自社

自分が今持っているもの

自分にしかできないこと(独自性)

3C分析の目的を明確にする

3C分析の目的は、情報を集めることではありません。

3C分析を始める前に、この分析で何を決めたいのかを1行で書きます。

ここを決めずに始めると、情報を集めるだけで終わってしまいます。

目的によって、「誰を顧客と見るか」「誰を競合と見るか」が変わるからです。

目的

顧客の見方

競合の見方

新しく事業を始める

まだ誰が客かわからない。「困っている人は誰か」から探す

その悩みを、今みんながどう解決しているか

今の商品の売上を伸ばす

買った人がなぜ選んだか、見送った人がなぜ選ばなかったか

お客さんが買う前に比べている相手

新しい施策を決める(企画書)

その施策で動かしたいお客さん

「なぜ他の案ではないのか」を説明するための比較相手

3C分析が最後に出す答えは、どの目的でも同じです。自分がどこで戦うかを決めることです。

目的は、その「どこ」を探す範囲を決めます。

テンプレートの一番上の「目的」欄に、まずこの1行を書いてください。

分析の順番を間違えるな

3C分析をする上で、この分析をする順番が非常に重要です。

顧客→競合→自社の順に進めます。

自社から先に考えると、競合を「自社の都合」で決めてしまうからです。

自社が思っている競合と、顧客が実際に比べている相手は、よくずれます。

  • テレビメーカーが、隣のメーカーとリモコンのボタンの数を競っている間に、お客さんはスマホで動画を見るようになっていた
  • 英会話スクールの本当の競合は、他のスクールだけではなかった。無料の英語学習動画や翻訳アプリ、そして「英語はまあいいか」とあきらめる気持ちだった

競合を見誤ると、自社分析で「何が強みか」も見誤ります。

だから先にお客さんを見て、顧客が何と比べているかから競合を決めます。

競合の見つけ方は、後の競合分析で詳しく書きます。

Customer(市場・顧客)

顧客は、企業が提供する商品・サービスのターゲットとなる存在です。

市場と顧客のニーズや価値観、購買行動を深く理解し、効果的なマーケティング戦略を立案できます。

顧客分析

なぜ買うのか(目的):

顧客は、その商品で何を叶えたいのか。商品そのものではなく、使ったあとの自分の姿を見る

何に困っているのか(不満・不安):

今のやり方の何が面倒で、何が心配なのか。ここが「買う理由」のスタート地点になる

どうやって選んでいるのか(行動):

何で知り、何と比べ、どこで決めているのか。本人の言葉より、実際の行動を追う

誰がその悩みを持っているのか(グループ分け):

年齢や性別より「どんな場面で困っているか」で分ける。同じ30代でも、家で集中できない人と、友人と話す場所がほしい人は別の顧客

市場分析

市場では、自分の力では変えられない「世の中の流れ」を見ます。

お客さんの目的は、世の中が変わると生まれたり、消えたりするからです。

見るのは、次の4つです。頭文字をとって「PEST分析」と呼びます。

政治(Politics):法律や規制の変化。始められること、できなくなることが変わる
経済(Economy):景気や物価の動き。お客さんの財布のひもが変わる
社会(Society):人口、流行、働き方や価値観の変化。お客さんの困りごとが変わる
技術(Technology):新しい技術やサービスの登場。解決の手段が変わる

たとえばカフェなら、在宅ワークが広がったこと(社会)で、「家だと集中できない」という困りごとを持つ人が増えました。

こうした流れをつかんでおくと、顧客の目的が「なぜ今あるのか」まで説明できます。

→詳しくは【内部リンク:PEST分析の詳しいやり方の記事】

「目的」とそれを支える条件」を分ける

一番やりがちなのが、この2つを混ぜてしまうことです。

たとえばパーソナルジムです。筋肉をつけたいだけなら普通のジムで足ります。それでも高いお金を払ってパーソナルジムを選ぶ理由は?

  • 目的(なぜ):夏までに体型を変えて自信をつけたいけど、一人だと続かないから継続できる環境
  • 条件(何が必要か):マンツーマンの指導、予約で休めない仕組み、多少高くても払える価格

トレーナーも予約の仕組みも、目的を叶えるための手段です。

目的を飛ばして条件だけ並べると、「トレーナーの数」や「設備の豪華さ」で競うだけになります。

目的には、「なぜ他の選択肢ではダメなのか」まで含めて書くのがコツです。

「一人だと続かない」が入っているから、普通のジムではなくパーソナルジムが選ばれます

先に目的、次に条件の順で書き出してください。

「誰に・何を・どうやって」で解像度を上げる

目的が見えたら、次の3つに分けて掘り下げます。

  • 誰に(Who):その目的を持っているのはどんな人か

→ 詳しくは【内部リンク:STP分析の記事】

  • 何を(What):その人は何に価値を感じるか「機能」「情緒」「自己表現」の3つで考える

→詳しくは 【内部リンク:3つのベネフィットの記事】

  • どうやって(How)何を(What):どう届ければ伝わるか

Competitor(競合)

競合は、自社が市場で競争する相手のことをいいます。

ゴールは、競合がやられたら嫌なことを見つけることです。

競合の定義として、下記の3つに分類します。

  • 直接競合:同じ商品を売っている相手(ジムなら他のジム)
  • 間接競合:同じ目的を別の方法で叶える相手(家トレ動画、ランニング)
  • インサイト競合:顧客の心の中にあるブレーキ(「どうせ続かない」「お金がもったいない」)

競合は、下記の4つで見ていきます。

誰と比べられているのか(競合の範囲):

お客さんが買う前に、何と比べているのか。同じ商品だけでなく、別の手段や「買わない」という選択も含める

誰に、何を約束しているのか(狙い):

競合はどんなお客さんを狙い、何を売りにしているのか。サイトや広告の言葉に、そのまま表れる

なぜ選ばれているのか(強み):

商品、価格、売り方のどこが支持されているのか。会社の発表より、口コミやレビューでお客さん側の声を見る

その強みのせいで、何ができないのか(弱み):

強みの裏側にある、手が回らないこと。ここが「やられたら嫌なこと」の候補になる

インサイト競合

競合分析において、特に重要なのがインサイト競合の視点です。

なぜなら、顧客は他社を選ぶだけでなく、「何もしない」を選ぶことも多いからです。

特にネットでは、検索すると別の手段や「お金をかけない方法」も一緒に並びます。同じ商品だけを見ていると、本当のライバルを見逃します。

次に、それぞれの強みと、その強みのせいでできないことを書き出します。そこが「やられたら嫌なこと」です。

大手ジムは店舗数が強みです。その分、一人ひとりの「続かない不安」に毎回付き合うのは苦手です。

小さなジムが「休んだら翌日に連絡が来る」を売りにすれば、大手は真似しにくく、お客さんの心のブレーキも外せます。

Company(自社)

自社は、自分の今の姿を正直に書き出し、顧客に何を届けられるのかをはっきりさせます。

強みだけでなく弱みも並べるのは、勝てる場所と、避けるべき場所を見分けるためです。

自社は、下記の4つで見ていきます。

どこを目指しているのか(軸):

会社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)、個人なら「やる理由」と「やらないこと」です。軸があれば、勝てそうでも自分らしくない場所を選ばずに済みます

何を持っているのか(強み):

技術や品質、積み上げてきた信頼、使える人脈・時間・お金。お客さんに「あなたに頼みたい」と言われた理由を思い出すと見つけやすくなります

何が足りないのか(弱み):

人手やお金、知名度、まだ実績のない分野。弱みは隠すものではなく、戦わない場所を決める材料です。今は弱くても伸ばせるもの(伸び代)も一緒に書きます

何を届けられるのか(提供価値の候補):

お客さんのどんな困りごとを、どう解決できるのか。値段に見合う中身か、他にない部分はどこか。ここで出た候補を、最後に顧客・競合と重ねて絞り込みます

3C分析→SWOT分析で次の一手を決める

3C分析で集めた材料は、SWOT分析で整理すると、具体的な行動に落とし込みやすくなります。

SWOT分析は、自社の「強み・弱み」と、世の中の「チャンス・リスク」を4つのマスに並べて整理する方法です。

強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)は自社の内側の話、機会(Opportunities)と脅威(Threats)は自社では変えられない外側の話です。

さらに一歩進めるのが、クロスSWOT分析です。

4つのマスを掛け合わせて、「何をするか」を決めます。

  • 強み×機会:得意なことで、チャンスを取りに行く
  • 弱み×機会:足りない部分を補って、チャンスを逃さない
  • 強み×脅威:得意なことで、リスクをかわす
  • 弱み×脅威:勝ち目のない場所からは手を引く

3C分析で「どこで戦うか」を決めたら、SWOTとクロスSWOTで「そこで何をするか」を決める。

この順番で使うと、分析が行動までつながります。

→詳しくは【内部リンク:SWOT分析とクロスSWOT分析のやり方の記事】

USP(独自の強み)を決める

最後に、3つの円を重ねます。円が重なる場所ごとに、やること・やらないことが決まります。

重なる場所

何があるか

どうするか

顧客×自社(競合はなし)

POD:お客さんが欲しくて、自分にしかないもの

ここで戦う。一番伝えたい強み(USP)

顧客×自社×競合(3つ全部)

POP:お客さんが当然求めていて、どこも持っているもの

最低限そろえる。ないと比べてももらえない

顧客×競合(自社はなし)

POF:お客さんが欲しくて、競合にはあって、自分にはないもの

正面からは戦わない。選ばれない原因になるので、最低限のものだけ埋める

自社×競合(顧客はなし)

お客さんが求めていないもの

やらない。どれだけ得意でも売上にならない

PODはPoint of Difference(違い)、POPはPoint of Parity(同等)、POFはPoint of Failure(負けている点)の略です。

もう1つ、重要な視点がPOFです。

POFは、自社商品のカテゴリーにおける「これがある限り選ばれない」弱点です。

どれだけPODが強くても、POFが1つあるだけで候補から外されます。見つけたら、戦う前に取り除きます。

パーソナルジムに当てはめると、こうなります。

  • POD:休んだら翌日にトレーナーから連絡が来る
  • POP:清潔な設備、通いやすい場所
  • POF:予約が取りにくい、担当トレーナーが毎回変わる、強引な勧誘がある。

よくある失敗は、POPを強みとして並べてしまうことです。

「清潔です」「駅近です」はどこでも言えるので、選ばれる理由にはなりません。

強みは1つに絞る

PODは、1つに絞ります。

人がひとつの店や商品について覚えていられるイメージは、ほぼ1つだからです。

「電源もあって、料理もおいしくて、雰囲気も良いカフェ」より、「何時間いても気まずくないカフェ」のほうが、作業場所を探したときに思い出してもらえます。

小さな事業ほど、全部はできません。何を選ぶかと同じくらい、何を捨てるかが大切です。

PODが見つからないときは、今のお客さんに「なぜ選んでくれたのか」を聞いてみてください。

自分では当たり前すぎて気づいていない強みが、意外と見つかります。

最後に1文にまとめる

ここまで来れば、提供価値を1文で書けるはずです。

つまり、、、

誰の、どんな課題を、どのように解決するのか?

これをコンセプト(そのサービスを一言で言うと)に落とし込みます。

【実践】カフェを開くつもりで3C分析をやってみた

題材は「もし僕が駅前で小さなカフェを開くなら」です。実際に開業したわけではなく、あくまで想定の練習です。

今回いちばん意識したのは、顧客の「不」(不満・不安・不便など)を探すことです。

商売は結局、誰かの不を解決したぶんだけ選ばれるからです。

今回の目的は、「新しく店を開くとして、誰のどんな負を解決する店にするかを決める」です。

顧客分析

①行動から「不」を探す

平日の昼、大手チェーンのカフェでノートパソコンを開いている人を観察する、と想定します。

気になる行動を書き出すと、こんな感じです。

  • 飲み終わった空のカップを、片付けずにテーブルに置いたままにしている
  • 2時間ほどたつと、追加で注文する人と、そそくさと帰る人に分かれる
  • 電源のある席が空くと、荷物ごと移動する

 

② ①の行動に「なぜ?」を重ねる

  • なぜ空のカップを置いたままにするのか → 「まだお客さんとして座っていていい」という証拠を残したいから
  • なぜ証拠を残したいのか → 長居していることを、お店や周りの人に責められている気がするから

などなど。

ここで見えてくる不は、「作業はしたい。でも、居させてもらっている感じがずっと消えない」です。

本人に「カフェに何がほしいですか?」と聞けば、たぶん「Wi-Fiと電源」と答えます。でも本当の不は、設備ではなく気まずさです。

言葉ではなく行動に、本音が出ています。

これを目的と条件に分けると、こうなります。

  • 目的:家だと集中できない。だから外で、気兼ねなく作業をやり切りたい
  • 条件:電源とWi-Fi、長居しても気まずくない仕組み、ほどよい静けさ、通い続けられる値段

競合分析

顧客分析の不が解決されていないか

次に、この不に対して、今ある選択肢がどう応えているかを見ます。

競合

種類

「気まずさ」の負に対して

大手カフェチェーン

同じ商品

設備はある。でも回転で稼ぐ仕組みなので、長居は歓迎しにくい。気まずさは残る

個人の喫茶店

同じ商品

雰囲気は良い。でも電源がなく、会話を楽しむお客さんが中心

コワーキングスペース

別の手段

気まずさはない。でも料金が高めで、気分転換にはなりにくい

自宅

別の手段

無料で気まずさもゼロ。でも集中できない(これがそもそもの悩み)

「1杯で何時間もいるのは申し訳ない」

買わない理由

この気持ちがあるから、作業したくても家にとどまる

並べると、「気まずさがない」と「気軽な値段」を両方満たす選択肢が、ぽっかり空いています。

しかも、大手チェーンにとって「長居を歓迎します」と打ち出すのは、回転率で稼ぐ仕組みと正面からぶつかります。真似しにくい、つまりやられたら嫌なことです。

自社分析

  • 強み:小さい店なので、ルールを自由に決められる。自分自身が「家だと集中できない」当事者で、この不を肌でわかっている。Webでの集客を実務でやってきた
  • 弱み:飲食の実績はゼロ。席数も資金も少ない

カフェのUSP

3つを重ねると、こう整理できます。

POD:長居しても気まずくない仕組み。たとえば時間制の料金にする
POP:電源、Wi-Fi、普通においしいコーヒー
POF:隣の席との距離が近く、画面をのぞかれる。Wi-Fiが途切れる。料金のしくみがわかりにくい
戦わない:駅前の一等地、ブランドの安心感、料理の品数
やらない:会話を楽しみたいグループ客、写真映えするメニュー

時間制の料金がPODになるのは、不の原因そのものを消せるからです。

1杯の値段で長居すると、お客さんは「居させてもらっている」と感じます。

でも時間で払えば、「この時間を買っている」に変わります。気まずさを我慢してもらうのではなく、気まずさが生まれない仕組みにするのがポイントです。

ただし、時間制にするなら「結局いくらかかるのかわからない」がPOFになりやすくなります。料金は入口で一目でわかるようにしておく必要があります。

まとめ

3C分析で見つけるものは、3つだけです。

  • 顧客 → お客さんが本当に欲しいもの(目的から考える)
  • 競合 → 競合がやられたら嫌なこと
  • 自社 → 自社にしかできないこと

そして重ねて、「戦う場所」と「やらないこと」を決めます。

読んだだけでは、また「だから何?」に戻ってしまいます。

このあと、次のどれか1つでテンプレートを埋めてみてください。

  • 今、仕事で扱っている商品やサービス
  • これから始めたい副業や事業
  • 転職や仕事探し中の「自分」そのもの

完璧でなくて構いません。一番右の「見つけるもの」の列に、1行ずつ自分の言葉が入れば合格です。

顧客をもう一歩深く掘りたくなったら、次はこちらの記事(STP分析)へ進んでください。

「誰に売るか」を決める方法を、同じく実例つきで解説しています。

今回は以上です。

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