【お金をかけない】飲食店集客「方法探し」の前にやるべきこと

原材料費や人件費が上がり続けていて、正直、利益はどんどん圧迫されている。かといって人件費は削れない。接客の質が落ちれば、それこそお客さんが離れてしまうからです。

結果、真っ先に削減対象になるのが広告宣伝費です。それでも、食べログやホットペッパーには毎月3万円前後を払い続けている。「やめたら予約がゼロになりそう」という恐怖があって、抜け出したくても抜け出せない。

「集客のアイディアはいろいろ調べた。SNS、口コミ対策、POP、Googleビジネスプロフィール……でも、結局どれが効いているのか分からない
「とりあえずやってみる」を繰り返しているが、成果につながっている実感がない
コンサルを雇うほどの予算はない
そもそも、何から手をつければいいのか分からない

こういう悩み、実は非常に多くのメディアが「打ち手」は紹介してくれるのに、「その打ち手をどう選べばいいか」「今の自分の店に何が必要かをどう判断するか」まで教えてくれるものは、ほとんどありません。

本記事の内容

・「なぜ売れないのか」を、大きすぎる問いのまま考えない
・【実践】飲食店を例に、集客改善案を考えてみる
・飲食店以外にも当てはまる考え方
・明日から早速実行すること

 

この記事を書いている筆者は、

僕自身、これまでマーケティングの仕事に就いて、実際に集客の業務にも携わってきました。テクニカルなスキルを学ぶ中で、一番最初に「これは強力だ」と感じたのが、今回紹介する考え方です。

この記事を読めば、「なぜ売れないんだろう」と漠然と悩む状態から抜け出せます。工程を分解して”どこで人が離れているか”を特定できれば、コンサルに頼らなくても、自分の力で改善点を見つけられるようになります。

広告費を増やす前に、まず無駄な出費を減らし、その分を料理や接客、つまりお客さんへの価値そのものに回せるようになる。それが、結果的に集客の安定につながります。

では、いきましょう!

「なぜ売れないのか」を、大きすぎる問いのまま考えない

結論からいいます。

「売上が下がった」「お客さんが来ない」。これ自体は、実はかなり大きな問い(ビッグシナリオ)です。大きすぎる問いは、大きすぎるがゆえに、具体的な分析ができません。

そこで役立つのが、マイクロコンバージョンという考え方です。

最終的なゴール(商品が売れる、来店する)に至るまでの道のりを、細かい工程に分解して1つずつ見ていく、という考え方です。

言われてみれば当たり前のことですが、実際にこれを意識してビジネスを見ている人は、意外と多くありません。

【実践】飲食店を例に、集客改善案を考えてみる

学ぶだけでは意味がありませんので、早速一緒に考えてみましょう!

たとえば、飲食店の前を人が通りかかってから、実際に食事をして帰るまでを分解(マイクロコンバージョン思考)すると、こうなります。

  1. 認知:そもそもお店の存在に気づかれる
  2. 興味:看板を見て「なんの店だろう」と思う
  3. 検討:メニューや値段を見て、「入ってみようか」と考える
  4. 入店:実際に店に入る
  5. 接客体験:店員の対応、案内までの時間
  6. 食事・会計:味は?スムーズな会計(電子マネーやクレカOK?)
  7. リピート:また来たいと思ってもらえるか

ここで言いたいことはこれです。
「お客さんが来ない」という1つの悩みも、こうして分解すると、実は”どの工程で離脱しているか”によって、打つべき対策がまったく違うことが見えてくるということです。

工程 離脱している場合に疑うべきこと 対策の方向性
認知 存在自体が知られていない 看板の視認性、Googleマップ登録
興味 目に入っても素通りされている 店頭POP、メニューの見せ方
検討 見たけど入らない 価格帯、口コミの見せ方
入店 検討はしているのに入らない 入り口の入りやすさ、予約のしやすさ
接客体験 入ったのに満足度が低い そもそもの味、接客対応、案内のスピード
リピート 満足はしたが再来店しない フォロー施策(公式LINEなど)

この表では、工程(顧客の行動)しか書いてませんが、実際には心理状態も入ります。
例えば「検討フェーズ」なら、「入ってみようか」と天秤にかけている。価格・相場感・その時の空腹感に左右される。

入店フェーズなら、期待と同時に、「ハズレだったらどうしよう」という警戒心もあるのようなイメージですね。なので、この心理を払拭させる施策が必要というわけです。

「SNSを頑張っているのに来店に繋がらない」という場合、多くの人はSNS運用そのものを疑いがちですが、実際にはSNS経由で興味を持ってもらえていても、「検討」や「入店」の工程で離脱しているというケースも珍しくありません。工程を分解しないと、この違いには気づけません。

ちなみに、これはどっぷりマーケティング業界の話ですが、自分のビジネスの属するカテゴリーによって最低限ないと(顧客ニーズを満たす)そもそも選ばれない要素というものが存在します。今回の飲食店でいえば、「味」は不可欠でしょう。

当たり前ですよね?わざわざお金を払って外食するわけですから、仮にどれだけ体験が良くても味が全くダメなら自分のお店が選ばれる理由がないのは明白です。

飲食店以外にも当てはまる考え方

この考え方は、飲食店に限りません。

普段の仕事はもちろん、このあと書きますが、恋愛だってマイクロコンバージョンという構造があります。(実際に恋愛でこの思考を意識的にはしてる人はいないと思いますが)

たとえば、自社Webサービスページに遷移させることが目的で、メールやDMひとつ送るにしても、、、

  1. 受信:
    目的:メールを開封させること。
    心理状態:ん?誰だろ。
  2. 開封:
    目的:文面を確認させること。
    心理:読もうかな。
  3. 確認:
    目的:興味を持たせてクリックさせること。
    心理:へぇ、そうなんだ。
  4. クリック:
    目的:問い合わせ獲得。
    心理:興味あるわ
  5. 返信/問い合わせ:
    心理:欲しいけど…

※実際には、4と5の間にはサービスページ内でまた顧客の行動や心理が発生しますが、今はマイクロコンバージョンの説明としてこの流れて書いております。

「返信が来ない」という結果だけを見ると打ち手に迷いますが、開封率が低いならタイトル(件名)の問題、開封はされているのに返信がないなら本文の問題、というように、原因を切り分けられます。

また、恋愛にたとえるとわかりやすいかもしれません。

出会っていきなり交際を申し込む人はいません。連絡を取り合い、食事に行き、少しずつ関係を深めていく、という段階を踏みます。ビジネスでも本来は同じはずなのに、なぜか多くの人が、その段階をすべて飛ばして、いきなり売り込もうとしてしまいます。

明日から早速実行すること

最後になります。

正直、多くの方が「マイクロコンバージョン」という考え方を聞いたこともなかったかと思います。明日からできることとして、下記の通り進めることをお勧めします。

1. 現状の把握 まずは、売上・客単価・席数・営業日数(平日と土日祝で分けて)・変動費と固定費(光熱費など)を、紙やスプレッドシートに書き出してみてください。ここまで数字を出すと、「今の売上が本当に足りていないのか」「あとどれくらいの利益が必要なのか」が、感覚ではなく数字として見えてきます。
2. どこに問題があるのかを見つける 売上が足りていないと分かったら、次は「どこに問題があるのか」を探すフェーズです。ここで役立つのが、この記事で紹介したマイクロコンバージョンの考え方です。認知→興味→検討→入店→接客体験→リピートという流れを、自分なりに紙に書き出してみてください。

そのうえで、実際にお店の前に立って、人通りやお客さんの反応を観察してみるのもおすすめです。「そもそも気づかれているか」「看板の前で素通りされていないか」など、お金をかけずに、自分の目で確かめられることはたくさんあります。

一気にあれもこれも手を広げると、時間もお金も分散し、結局どれも中途半端になりがちです。工場の生産ラインも、一番詰まっている工程(ボトルネック)を直さない限り、他をどれだけ改善しても全体の流れは良くなりません。それと同じで、まずは一番怪しい工程を1つだけ見つけ、そこにだけ集中する。これだけで、やみくもに手を広げて疲弊することを防げます。

※ 各工程ごとの具体的な改善策(実際にどう手を動かすか)については、また別の記事で詳しく書く予定です。

もし今、お店の集客や何かの発信がうまくいかず悩んでいるなら、まずは工程(顧客の行動)を紙に書き出して分解してみることから、始めてみてください。

今回は以上です。

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